セイラはニールが会った女性のなかで、
態度が少しも変わらないはじめての相手だった。
ニールの足をはじめて見たとき、表情は少しも変わらず、
哀れみや恐怖や驚きすら示さなかった。
その理由だけでも、ニールが彼女に夢中になるのは予想できたことだった。
セイラの人となりのあらゆる側面を目にするころには、
ニールは彼女にぞっこんになっていた。
そして、セイラといっしょにいると、
ニールの資質の最上のものが表にあらわれるため、
彼女もニールに恋した。
テッド・チャン『地獄とは神の不在なり』(古沢嘉通訳・『あなたの人生の物語』[浅倉久志・他訳]・早川書房 p.399)
[2010年2月 4日 (木)元投稿]
(「ココログ「としま腐女子のいろいろ読書ノート」より引っ越し)
*横浜ワールドコンでサインをいただいた思い出の一冊でもあります。大事にしていたのに変色してきているのがショック。奥付を見たら2003年発行なので、もう18年も経つのですね…。
【関連サイト】
作家さんのファンなのですが、ご本人のサイト等がないので、2007年から自サイト内にゆる~いファンページ(?)を作って情報を記録しています。よかったら合わせてどうぞ。
◆テッド・チャンさん備忘録(PC仕様のままのページです)
最近の更新は、モバイル表示に対応できるよう、
でも同記事をアップしています。スマホの場合は少し見やすいかもしれません。長文が多めなので、見やすいほうでご覧くださいませ。