あちこち駆けずりまわったり、
性急にぼくらの品物をそっくり別の場所へ移したり、
仕事を自分の気に入るように一分間で変えたりすれば、
ぼくらは必ず何かを失くしてしまう。
魂ほど移動に時間のかかるものは無い。
だから一度場所を変えると、魂と肉体が再会するには、
きわめて手間がかかる。
自分は敏捷だと思い込んでいる人々は、
わけがわからなくなってしまう。
多くの場合、魂が足を引っぱるので両者はなかなかうまく再会できない。
ジャン・コクトー『魂の操舵について』(秋山和夫訳・『ぼく自身あるいは困難な存在』所有・ちくま学芸文庫 p.148)
[2009年10月21日 (水)元投稿]
(「ココログ「としま腐女子のいろいろ読書ノート」より引っ越し)
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